映画『フィラデルフィア』(1955年/アメリカ)を観た。
エイズで会社を解雇された男(トムハンクス)と、
エイズ患者を恐れる男(デンゼルワシントン)、
このふたりの弁護士が、差別や偏見と闘うヒューマンドラマ。
トムハンクスって、こんなに色っぽかったんだなあ。
映画の中で時間が経つにつれて、どんどん透明になっていく…。
図書館でこっそりサンドイッチをほおばるデンゼルワシントンもかわいかった。
その時トムハンクスがかぶっていた帽子、欲しい。
〈すごーく気弱にトムハンクスを差別する図書館員〉
コロナ禍を経て未知の病への恐怖を知っている今、
差別する側の人たちを軽々しく軽蔑することはできない。
エイズ患者のトムハンクスが洟をかむシーン、こわかったあ。
「明日、やっぱり空気感染することが分かったら?」
デンゼルワシントンのセリフだ。
分からないことは怖い。怖いものは、遠ざけたい。
感染症はじぶんだけでなく、家族にも危険を及ぼす。
トムハンクスの依頼を断ったデンゼルワシントンだったけれど、
差別されている彼のすがたを見かけたことから、依頼を引き受けることになる。
はじめは動機として弱い気がした。あんなにこわがってたのに、なんで?
でも、彼は黒人なのだ。それで十分だと思い直した。
マリアカラスの歌をトムハンクスが情感たっぷりに聴く場面がある。この映画の山だ。
歌詞の内容は、フランス革命で何もかも失った女性が「私が命、私が愛」と悟るものらしい。
この時の、トムハンクスを見るデンゼルワシントンの表情がとてもよかった。
エイズだとか人種だとか性別だとかそういう垣根を飛びこえて、愛を感じたんだろうなあ。
〈エレベーターの三人。ちょこちょこ画面で笑わせにくる映画だった〉
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